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創業融資計画書の書き方のポイント

(日本政策金融公庫)創業融資のときの簡単な創業計画書の書き方についてです。計画書の項目は大きく分けると次の通りです。

  • 「創業の動機・経験等」

何故、「この事業なのか」。事業を始めようと思った「動機」や「事業が成り立つ根拠」を具体的に示すことが重要です。私の場合は、創業動機を別紙でA4判1枚にまとめました。ご自身の経験を踏まえて書くことが具体性を増すポイントです。

  • 「取扱商品・サービス」

「誰に」「何を」「どうやって」提供するのか具体的に示す必要があります。自社商品(サービス)は、「他社より何が優れているのか」、「顧客にその商品(サービス)が求められているものか」等です。

 

なお、市場環境や競合他社の把握・分析もしっかりと記載することが必要です。例えば、「誰に(ターゲット)」を「シニア層」と言った場合と「元気で1人暮らし」「年金収入のみ」「一人息子は海外に住んでいる」「趣味は国内旅行」「70歳の男性」等絞ることにより明確になります。

 

明確になることにより説明するときに一貫性が生まれ説得力が増します。また、私の経験から最も感じたことは、サービスを「どのようにして提供していくのか」具体策をかなり聞かれたことです。

 

ここでも具体性が重要です。協力してもらえる具体的な人脈、具体的な広告方法、具体的な提携先等です。ご参考までに私の場合は、「セールスポイント」は別紙でA4判1枚、「販売ターゲット・販売戦略」「競合・市場など企業を取り巻く状況」の二つの項目で別紙でA4判4枚にまとめました。

  • 「取引先・取引関係」

予定が決まっている取引先を記載します。販売先・仕入先との関係性などにも触れておくと良いでしょう。

  • 「必要な資金と調達方法」

資金を調達して何に使うかなど「資金計画」が必要です。必要な資金は、設備資金と運転資金に分けられます。設備に関しては複数の業者から見積もりをとり、選ぶことにしましょう。

 

また、設備が中古品でも可能である場合等、コスト面を勘案しながら最低限にすることも大切です。運転資金は仕入、家賃、給与等の資金のことをいいます。日本政策金融公庫の調査では、事業を開始して黒字化できるまでには平均7カ月以上かかるそうです。

 

過大な設備投資などに注意して早期に事業を軌道にのせましょう。資金調達には自分で貯めて返済の必要のない「自己資金」と金融機関から借りる「借入金」がありますが、この2つのバランスが重要です。「自己資金」は受けたい融資額の1/2~1/3くらいが必要になります。

  • 「事業の見通し」

収支計画をつくります。売上や経費等を見積もる必要があります。例えば、「飲食店営業、理・美容業」などサービス業関係業種は次のようにして売上を予測します。<算式>客単価 × 設備単位数(席数) × 回転数

[設例] 業種:理髪店 理髪椅子 2台 1日1台当たりの回転数 4.5回転 客単価 3,950円 月25日稼働

 

売上予測(1ヵ月)=3,950円×2台×4.5回転×25日=88万円([[日本政策金融公庫ホームページ より抜粋)売上原価は、一般的に「売上高×原価率」で求めます。売上は多く、経費が少ない甘い計画になりがちですが、多角的に検証して収支計画の客観性を高めていくことが大切です。

 

計画書が出来上がった時には、友達や家族の方に説明してみましょう。そこで新たな課題が見つかりますので、改善して計画書に反映させることが重要です。

 

また、文章は「短文にする」こと、具体性は「可能であれば数字」にすることは大切です。長い文章になると主語述語の関係が把握しづらく、読み手にとって「何を言いたいのか」分からなくなります。

 

一文60字程度を目途に書いてみることをお勧めします。一度書いた後に時間をおいて再度見直しをしましょう。注意すべきところは短文過ぎてリズム感の悪い文章にならないようにすることです。