Q)一人暮らしの母親が、今後、認知症で判断能力がなくなった場合、今住んでいる(所有者は母親)自宅は子供である私が代わって売却できますか。
A)
基本的に、母親が認知症で判断能力がなくなった場合、母親の意思確認ができませんので子どもが代わって売却することはできません。
母親が認知症で判断能力がないのに自宅を売却したい場合、法定後見制度の利用があります。ただし、子ども後見人になっても自宅を売却する場合には、家庭裁判所の許可が必要になります。
お元気である一人暮らしの母親が高齢であれば、認知症などの介護をそろそろ考えるときかもしれません。今後の選択肢は、以下1~5としましょう。
- 現状のまま今の自宅で一人暮らし
- 親が子供の近くに引っ越す(自宅は貸す、売却するか等)⇒スープの冷めない距離がいいとも言われたりしています。
- 子どもが親の自宅で同居する
- 親が子供の家に転居し同居する(自宅は貸す、売却するか等)
- 親が高齢者住宅に入居する(自宅は貸す、売却するか等)
1は、現状と変わらないため、不安がありますが、今のうちに自宅を処分できるように家族信託や任意後見契約を結んでおく。万一、将来、認知症で判断能力がなくなっても、自宅を売却して介護施設代を捻出することができるでしょう。
3.4は、すでに子どもの生活リズム、仕事の関係などが確立しているので同居は難しいのではないでしょうか。また、親が引っ越してくる場合も、知らない土地には住みたがらない人も多いのではないでしょうか。
2.5については、今後、介護になった場合などを考えると検討してみる価値はありそうです。この場合、「自宅の活用」がポイントになります。仮に空き家にしておくと管理等に時間や費用がかかったりしますので、空き家にする場合は慎重に検討しましょう。
また、高齢者施設についてもどのような施設がご自身に会っているのか等を総合的に判断して決めることになるでしょう。